私が受験したのが平成14年度。
 その1年前に会社(某百貨店)を退社し、1年間大手予備校に通い試験に臨みました。

 そして、運良く(?)1回の受験で合格。
 今思い返しても、あの時の自分の勉強法が間違っていなかったからだろうなぁ、と改めて思います。

 具体的にどんな勉強法かといっても、別段オリジナリティがあるわけでもなく、週1回の予備校の授業に
 合わせて1年間を計画したことぐらいでしょうか。

 ただ、ここで大事だと思うのは、計画を立て、着実に実行する意志を強く持ち続けられるかどうかに合否
 の分かれ目があったのではないか、ということです。

 私のように会社を辞め、失業の身にとって一番の天敵は「甘え」です。
 恐らくほかの受験生より時間的余裕がある反面、その余裕から必ずと言っていいほど、自分に対する
 「甘え」が生じ、意志を鈍らせてしまいます。

 「明日から頑張ろう!」は「来年また頑張ろう!」につながり、結局は受けても意味のない試験になり
 かねない。
 私自身そんな危機感と戦いながら、計画を実行に移していたように思います。
 当たり前のことのようですが、受験の心構えと思ってもらえれば幸いです。

 では、私が採用した勉強法を少し詳しく紹介します。

 まず週1回の予備校通いですが、ここでは各講義を録音し、翌日または翌々日までに必ず1回聞き直します。

 この作業は、聞き洩れや理解不足を補うためのもので、日が空くと初めて聞く講義のような感覚に戻って
 しまい効率が悪くなるので、できるだけ早い時期に行います。
 そして、聞き直しても分からない内容が必ず出てくるので、その時は翌週の講義のときに講師の所へ教えて
 もらいに行きます。(ここでは恥を忍んで聞く勇気が必要!!)

 そして、全科目の講義が一通り終わった時点で、もう一回各講義のテープを聴きます。

 またこの時期から、私の場合は過去問題を並行して行いました。

 これは早く問題にあたらないと、という不安から始めたところもありますが、あとから考えれば、この時期
 に聞き直し、記憶に新しい講義内容が過去問に出題されていることが多く、問題を解く自信につながり、
 マンネリ化していた勉強にはずみがついたのではないかなぁ、と思います。

 次に使用教材ですが、私の場合他の受験生より比較的少ない教材で受験したのではないでしょうか。

 まず、予備校のテキストですが、私はこれをバイブルのように常に手元に置いて使っていました。
 予備校の授業はもちろん、過去問を解く時、などありとあらゆる場面で活用してきました。

 テキストの活用法として、私はテキスト以外で得た情報も全てテキストに書き込むことに徹しました。

 だから私のテキストは他の人が見ても全く分からない、汚いテキストに仕上がっています。
 でも、このテキストを何度も開き、書き込み、また開き…と繰り返すうちに、問題を解いていても該当する
 ページが頭の中に浮かんでくる
ようになるのです。

 実際、本試験でもテキストの隅っこに小さく書かれていた内容が、ふと浮かんで正解を導けたことが多々
 ありました。

 経験上、自分にとってのテキストはバイブル化するぐらい使いこなすことが大切ではないかと思います。

 このテキストが私にとっての唯一のオリジナリティかもしれませんね。

 それと問題集ですが、まず一冊、数多くの問題が収録されている過去問題集を用意しておいた方がいいで
 しょう。

 私の場合は、Lecが出版している「本試験過去問題集」を使いました。

 この本の特徴は、他の過去問題集に比べて解説が丁寧で科目別にバランスよく編集されています。
 問題数も豊富で、ひととおり終えるまでにかなりの時間と労力がかかりますが、私はこの問題集を4回まわ
 しました。

 さすがに4回目には答えの記号まで暗記する勢いでしたが、それでも記憶を定着させる作業としては、
 非常に有効であったと思います。

 なぜ、そこまで過去問をこなす必要があるのかと言えば、私が思うに、本試験の問題を解くノウハウが
 過去問を解くことでしか身につかないと考えるからです。

 予想問題はあくまで予想であって、本試験の出題者の意図が、そこには入っていないと思うんです。

 その点、過去問には必ず出題者の意図(狙い)が含まれていて、問題を何回か解くうちにその意図するところ
 がなんとなく見えてくるようになります。

 この訓練は本試験を解く時に必ず役立ちます。

 その他に、私が使った教材を参考までに列挙しておきます。

  「出る順 社労士選択式マスター」(LEC)
  「出る順 社労士一問一答カード」(LEC)
  「社労士 合格のツボ 択一対策」(TAC)
  「社労士 労務管理 最強の直前対策」(TAC)

 以上長々と話しましたが、私の自論として最後に一つだけ。

 「細かいことを気にして大筋を見落とすな」俗に言う「木を見て山を見ず」の例えではないのですが、法律の
 勉強と言えど、条文にとらわれすぎて大枠の内容を理解できなければ本試験では通用しないと思います。

 所詮、法律も人間が考え出したものだという気持ちで、難しく考えすぎないように勉強に取り組むことが
 大切ではないかと思います。

 受験生のみなさん!がんばってください!!

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